呼吸をやめてしまった人々
どうも、フィジカルフィロソフィストのヨシバです。
呼吸が大切、ということは前回お話をしました。
では、真の呼吸が出来ていない人はどういう身体の状況になっているか、ということを今日はお話します。
本来、息を吸う時は横隔膜が収縮し、下がることで肺に空気が入ります。横隔膜が下がる動きによって、同時に腹圧が高まり「腹が据わる」状態になります。
しかし、真の呼吸を忘れてしまった人はどうなるのか。横隔膜を下げるのではなく首や肩の筋肉を使って肋骨を無理やり広げることで肺に空気を入れるのです。
肺に空気が入って胸の圧が高まると、圧に押されて横隔膜が下がります。
「横隔膜が下がる」という事実は同じですが、そこに至るプロセスには圧倒的な違いが生まれるのです。
真の呼吸ができない人は地力で横隔膜を下げることができない人です。それは腹圧を自由に高められないということを意味します。腰や膝に慢性的に負担をかけています。呼吸で首や肩の筋肉にも常に負担が生じています。
この呼吸は、実は人工呼吸器を使用しているのと同じ状態なのです。つまり、人間にとってとても不自然な呼吸の形なんです。
人工呼吸器は機械の力で無理やり肺に空気を送り込みます。それと同じことを自分で行ってしまっているのです。
無理な身体の使い方をすれば負担がかかります。
生きている間、絶対に途切れることのない呼吸という運動で常に身体を酷使してしまうのです。
人間は1日3万回呼吸します。呼吸が乱れていることが身体に大きな負担をかけることがわかっていただけると思います。
自身の呼吸に、少しでも目を向けていただければ幸いです。